協働ロボットがピッキング作業を行うデモ装置の写真

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自動化の相談では何を伝えるべきか|話が早く進む情報整理の方法とは

導入判断

現場を説明できる自信がなく相談をためらっている…最初の相談で伝えるべき項目と準備しておく資料

自動化の最初の相談で伝えるべきことは6項目、準備する資料は3点で足ります。

6項目は「困りごと」「対象工程」「ワークの情報」「量とペース」「現状の人員と時間」「予算感と時期」。

資料は「工程の動画」「写真」「ワークのサンプルか図面」の3点です。

仕様書は要りません。

専門用語も要りません。

分からない項目は「分からない」と伝えれば、それ自体が有効な情報になります。

問い合わせフォームを開いたまま、送信ボタンを押せずに閉じる。

スマホに表示した電話番号を、発信しないまま消す。

「専門的なことを聞かれたら答えられない」

「何も決まっていないのに電話したら迷惑だろうか」

「恥をかくくらいなら、もう少し調べてからにしよう」

その「もう少し」で、半年が過ぎていく方を何人も見てきました。

この記事では、相談対応を続けてきたロボットSIerの石川工機が、最初の相談で伝えるべき6項目と資料の作り方、話が早く進む相談と止まる相談の違いを解説します。

【この記事のポイント】

  • 伝えるべきは6項目だけ。分からない項目は「分からない」と言えば業者側が埋めてくれる
  • 資料はスマホ動画・写真・サンプル(か図面)の3点。動画は30秒×2本で十分
  • 機種や方式の希望は伝えなくていい。それを考えるのが業者の仕事

この記事の結論

  • 一言で言うと、相談の準備は「現場をそのまま見せられる状態」を作ることに尽きる
  • 最も重要なのは、困りごとを飾らず具体的に言葉にすること(例:検査後の箱詰めに毎日2人かかる)
  • 予算感と時期は、決まっていなくても「上限の肌感覚」を正直に伝えると話が早い
  • 完璧な資料を作る半年より、動画2本で相談する今日のほうが検討は進む

最初の相談で伝える6項目|このメモだけ作ればいい

項目1〜3:困りごと・対象工程・ワークの情報

1項目め、困りごと。

「箱詰めに毎日2人かかっていて、その2人を加工に回したい」のように、現象と希望をそのまま言葉にします。

かっこいい課題設定は不要です。

2項目め、対象工程。

どの作業を自動化したいか、前後の工程は何か。

工程名が分からなければ「検査のあと、箱に詰めるまで」という言い方で十分通じます。

3項目め、ワークの情報。

モノの寸法・重量・材質・品番数です。

ここは数字があると検討が一気に速くなります。

重量はカタログ値でなくてもよく、「片手で持てる」「両手で腰にくる重さ」でも初期判断の材料になります。

実は、この3項目だけで自動化の向き不向きの7割は見えてきます。

逆に言えば、ここが曖昧なまま機種の話から入ると、検討は宙に浮きます。

項目4〜6:量とペース・人員と時間・予算感と時期

4項目め、量とペース。

1日の生産数、1個あたりの作業時間、繁忙期の増減。

タクトタイムという言葉を知らなくても、「1時間に何個くらい」で足ります。

5項目め、現状の人員と時間。

その工程に何人が何時間ついているか。

これは投資対効果の計算に直結する数字で、自動化の費用が妥当かを判断する物差しになります。

6項目め、予算感と時期。

言いにくい項目ですが、正直なところ、ここを濁すと提案の精度が落ちます。

「上限は1,000万円のイメージ」「来期の予算で考えたい」という肌感覚で構いません。

一般的な相場として、システム全体で数百万円〜、協働ロボットなら本体300〜500万円程度でシステム全体はその1.5〜3倍が目安。

この幅のどこを想定するかで、提案の組み立ては変わります。

6項目をA4半分のメモにする。

準備はそれで完了です。

実例:スマホ動画2本から始まった金網・金具メーカーの相談

金網・金具製品を作る工場の方から、「資料が何もないんですが」という前置きつきの電話をもらったことがあります。

声の調子から、かなり緊張されているのが分かりました。

聞けば、溶接後の部品の箱詰めと積み付けに人手を取られ、求人を出しても応募が来ない状況。

中小企業白書でも中小製造業の人手不足は最重要級の経営課題とされていますが、まさにその渦中でした。

お願いしたのは、スマホで作業の動画を撮ること1つだけです。

手元のアップで30秒、工程全体が入る引きで30秒。

翌日届いた2本の動画とワークの重量だけで、自動化の候補構成と概算の幅をお伝えできました。

「こんな雑な相談で進むとは思わなかった」と驚かれましたが、雑ではありません。

動画は、どんな文章よりも現場を正確に伝えます。

その後、現場確認と工程分析を経て仕様が固まり、いまは積み付け作業から人が離れています。

最初の電話の緊張は、動画を送った時点でほどけていたそうです。

準備に自信がなくても、動画2本があれば検討は始まります。

撮り方の案内からで構いませんので、石川工機の問い合わせフォームから現状だけお知らせください。

話が早く進む相談・止まる相談の違い

伝えなくていいこと・正直に伝えるべきこと

伝えなくていいことを先に挙げます。

ロボットの機種、方式、レイアウト案。

これらを考えるのは業者側の仕事で、むしろ機種を固定した相談は選択肢を狭めます。

「協働ロボットでお願いしたい」より「人の隣で使える形がいい」と背景を伝えるほうが、良い提案を引き出せます。

逆に、正直に伝えるべきなのは次の3つです。

1つ、予算の肌感覚と社内の温度感。

決裁者が乗り気なのか、まだ説得材料集めの段階なのか。

段階に合わせて、概算だけ先に出すといった進め方の調整ができます。

2つ、過去の失敗や懸念。

以前の設備投資でうまくいかなかった経験があるなら、それは提案の重要な制約条件です。

3つ、現場の反応。

ベテランが自動化に乗り気でない、といった空気も、導入の順序設計に関わる立派な情報です。

よくあるのが、よく見せようとして現場の課題を小さめに伝えるケース。

気持ちは分かりますが、診察で症状を隠すのと同じで、提案が的から外れていきます。

相談後はどう進むか|最初の1時間で聞かれること

相談後の流れが見えないことも、ためらいの原因です。

一般的な流れは、課題ヒアリング、現場確認と工程分析、自動化案の検討、概略仕様と見積りの提示、と進みます。

当社の場合、この後に詳細設計・製作、調整、据付・立ち上げ、運用後のフォローまで8ステップです。

最初のヒアリングで聞かれるのは、先ほどの6項目に沿った内容だけ。

答えられない質問が出ても、「現場確認のときに一緒に見ましょう」で先送りできます。

費用が発生する境目は会社ごとに違いますが、概略提案・概算見積りまでは無償の会社が多い。

最初の相談で契約を迫られることは、まともな会社ならありません。

むしろ現場を見る前に金額や納期を断言する相手のほうが要注意です。

1つの相談は1時間前後。

半年悩むのと1時間話すのと、どちらが前に進むか。

数字にすると、答えは明らかです。

相談をためらっていた人が、一歩を踏み出せた理由

表面処理関連の工場の方は、相談前に社内資料を完璧にそろえようとして、半年止まっていました。

工程フロー図を清書し、作業時間を全品番で実測し直し、それでも「まだ足りない気がする」。

資料づくりが、相談を先延ばしにする口実になっていた面もあったと、後にご本人が認めています。

きっかけは、展示会で聞いた「資料は動画でいいですよ」の一言だったそうです。

半信半疑で動画だけ持って相談に来られ、最初の1時間で概算の幅と検討の道筋が出た。

「半年かけた資料より、30秒の動画のほうが伝わった」と苦笑いされていました。

その方が後輩に伝えているコツは3つだそうです。

完璧を目指さず、6項目のメモと動画で相談すること。

分からないことは分からないと言うこと。

2〜3社に同じ情報を渡して比べること。

準備の質より、始める速さ。

相談のハードルは、思っているより低い場所にあります。

よくある質問

Q1. 図面や仕様書がなくても相談できますか?

A1. できます。

工程の動画・写真・ワークのサンプルか概略寸法があれば初期検討は可能です。

仕様書は相談しながら作れます。

Q2. 動画はどう撮ればいいですか?

A2. 手元の作業が分かるアップ30秒と、工程全体が入る引き30秒の2本が基本です。

普段のスピードで作業している様子を撮ってください。

Q3. 予算が決まっていない場合はどう伝えますか?

A3. 「上限の肌感覚」で構いません。

相場はシステム全体で数百万円〜、協働ロボットは本体300〜500万円程度でシステムはその1.5〜3倍が目安です。

Q4. 相談したら契約を迫られませんか?

A4. 概略提案・概算までは無償の会社が多く、契約を迫られる段階ではありません。

複数社への相談を明言しておくと、比較前提で話が進みます。

Q5. 機種の希望は伝えたほうがいいですか?

A5. 機種名より「人の隣で使いたい」「省スペースがいい」という背景を伝えてください。

機種選定は業者の仕事で、固定すると選択肢が狭まります。

Q6. 相談から見積りまでどれくらいかかりますか?

A6. 現場確認を経て概算まで数週間が目安です。

動画と6項目の情報がそろっていると、初回の打ち合わせから具体案の話に入れます。

Q7. 何社に同じ相談をしてもいいのですか?

A7. 問題ありません。

2〜3社に同じ情報を渡すのが比較の基本で、業者側も相見積り前提の相談に慣れています。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • 伝えるのは6項目:困りごと・対象工程・ワーク・量とペース・人員と時間・予算感と時期
  • 資料は動画30秒×2本と写真、サンプルか図面の3点。完璧な準備より始める速さ
  • 機種の希望より背景を伝え、予算感と現場の空気は正直に共有する

まずはA4半分のメモに6項目を書き出し、スマホで動画を2本撮るところから始めてください。

メモが埋まらなくても大丈夫です。

空欄は現場確認で一緒に埋めていけますので、現状のままの情報で石川工機へご相談ください。

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