協働ロボットがピッキング作業を行うデモ装置の写真

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自動化したいがスペースが足りない…解決する設計の方法と実例を紹介

設計制約対応

置き場所がなくて自動化を諦めかけている…スペース不足を設計の工夫で解決した省スペース自動化の方法

スペース不足を理由に自動化を諦めるのは早計です。

設備に必要な面積は、設計の工夫で3〜5割圧縮できるケースが少なくありません。

鍵になるのは「安全柵の扱い」「縦方向の活用」「1台に複数の機能を持たせる設計」の3つです。

実際、面積を食っているのは設備本体ではなく、柵と通路と仮置き場であることがほとんどです。

メジャーを片手に空きスペースを測り、図面に設備の枠を書いては消す。

カタログの外形寸法を当てはめた瞬間、通路が消えることに気づいて手が止まる。

「うちみたいな狭い工場では、そもそも無理なんじゃないか」

「機械は入っても、人が通れなくなるのでは」

この記事では、スペースが足りなくなる本当の原因と、狭い現場で自動化を成立させた設計の工夫を、実例とあわせて紹介します。

【この記事のポイント】

  • 面積を食うのは設備本体より安全柵・通路・仮置き場。ここに圧縮の余地がある
  • 協働ロボットはリスクアセスメントを前提に柵なし運用が可能で、設置面積を大きく減らせる
  • カタログ寸法での判断は禁物。可動範囲・メンテスペース・搬入経路まで含めて検討する

この記事の結論

  • 一言で言うと、スペース不足の多くは「設計で解ける」問題
  • 最も重要なのは、本体寸法ではなく運用に必要な総面積で考えること
  • 協働ロボットの活用で、従来の産業ロボットの半分程度の面積に収まる場合がある
  • 判断に迷ったら、図面と現場を見て成立条件を確認してから諦めても遅くない

スペースが足りなくなる本当の原因

面積を食うのは設備本体より「安全柵と通路」

産業用ロボットを設置する場合、労働安全の観点から原則として安全柵で囲う必要があります。

すると、ロボット本体は1m四方でも、柵を含めた占有面積は本体の2〜3倍に膨らみます。

さらに柵の外側には人と台車が通る通路が要る。

「スペースが足りない」の正体は、実はこの柵と通路の面積です。

一方、協働ロボットは、リスクアセスメントを実施し安全が確認された条件下であれば、柵なしで人の隣に設置できます。

日本ロボット工業会の統計でも、協働ロボットを含む小型ロボットの出荷は増加傾向にあり、狭い現場への導入が広がっています。

柵が不要になるだけで、必要面積の前提は大きく変わります。

カタログ寸法で置けるか判断してはいけない理由

よくあるのが、カタログの外形寸法だけを図面に当てはめて「置ける」「置けない」を判断してしまうケースです。

実際に必要なのは、次の4つを含めた面積です。

①ロボットの可動範囲(アームは本体の外側まで振れる)

②扉や制御盤の開閉スペース

③メンテナンス時に人が入る隙間(最低でも周囲に500mm程度)

④ワークの置き場と供給スペース

逆に言えば、この4つを設計でどう重ねるかが省スペース化の腕の見せどころです。

正直なところ、図面上は置けるのに搬入経路が確保できず断念しかけた現場もありました。

最終的には設備を分割構造にして搬入し、現地で組み上げて事なきを得ましたが、設計のやり直しには時間がかかります。

入口の幅、天井高、床の耐荷重まで含めて、最初に確認しておくべきです。

【実体験】協働ロボットで柵をなくし約半分の面積に収めた組立の現場

愛知県内の電子部品を扱う組立工場で、ネジ締めと部品セットの工程を自動化したいという相談がありました。

最初の打ち合わせで言われたのが「ロボットって、うちみたいな狭い工場でも置けるんですか」という一言。

現場を拝見すると、確かに空きは通路脇の1.5m四方だけでした。

産業用ロボットと安全柵の構成では成立しない広さです。

そこで協働ロボットを軸に、リスクアセスメントを行ったうえで柵なしのレイアウトを設計しました。

架台の下部を部品ストッカーとして使う構造にして、置き場も設備内に取り込んでいます。

結果、従来構成の半分ほどの面積で収まり、人はロボットの隣を普通に通って作業しています。

数か月後、あの狭かった通路脇が今では現場の主力工程です。

ケースによりますが、柵の前提を見直すだけで結論が変わる現場は本当に多いです。

スペース不足を解決する設計の工夫と実例

縦に使う・重ねる・兼ねる…省スペース設計5つの工夫

当社が狭い現場で使う設計の引き出しは、主に次の5つです。

①縦方向の活用(架台の上に装置を載せ、下部を部品置き場や制御盤スペースにする)

②機能の統合(組立と検査を1台にまとめ、設備2台分を1台の面積で済ませる)

③柵の見直し(協働ロボットの採用や、エリアセンサーによる安全確保で柵面積を減らす)

④仮置きの削減(工程間を直結し、仮置き場そのものをなくす)

⑤可動式の設計(キャスター付き架台にして、段取り替えや非稼働時に移動できるようにする)

どれか1つではなく、組み合わせて初めて成立することが多い。

たとえば②の機能統合は、組立装置の直後に検査カメラを組み込めば、検査台1台分の面積と検査への運搬がまとめて消えます。

①の縦方向活用も、床面積は同じまま収納力が倍になるため、狭い現場ほど効果が大きい。

だからこそ、設備を規格品から選ぶのではなく、現場に合わせて設計する特注自動機の出番になります。

当社が構想提案の段階で必ず現場を実測するのは、この組み合わせの最適解が図面だけでは決められないからです。

【実体験】通路1本分のスペースに収めたパレタイジングの事例

三重県の食品関連の梱包工程で、箱詰め後のパレット積みを自動化した事例です。

20kg近い箱を1日数百回積み上げる作業で、担当者の腰痛が限界に近い状態でした。

ただ、置けるスペースは出荷場の通路1本分。

「機械を入れたら出荷作業が止まるのでは」と、担当役員は最初かなり懐疑的でした。

無理もない、と思いながら現場を採寸したのを覚えています。

設計では、協働ロボットタイプのパレタイジングシステムを採用し、ロボットを昇降式の架台に載せて可動範囲を縦に確保しました。

当社はテックマンロボットを使ったパレタイジングシステムを3件手がけており、その経験がそのまま活きた形です。

導入後に伺うと、終業前に皆で箱を積み替えていた30分の残業がなくなり、出荷場の雰囲気が少し柔らかくなっていました。

このように、スペースの制約は設計条件の1つにすぎません。

現場の寸法と工程が分かれば成立可否は判断できますので、諦める前に一度、石川工機へ図面や写真をお送りください

省スペース自動化を検討した人が確認していた判断基準

狭い現場で自動化を決めた方々が、発注前に確認していたポイントは共通しています。

①柵の要否とリスクアセスメントの実施方法(誰がどう評価するのか)

②メンテナンス時に人が入れるスペースがあるか(狭く収めすぎると保守できない)

③搬入経路(入口の幅・高さ、通路の曲がり角を実測したか)

④床の耐荷重と、必要なら補強の要否

⑤将来の増産・機種追加に対応できる余地があるか

特に②は見落とされがちです。

稼働はしても保守できない設備は、長く使えません。

当社が構造の妥当性と保守性を設計段階から重視するのは、導入後に安定して動き続けることが自動化の価値そのものだからです。

複数の会社に相談する場合も、この5点を同じ質問でぶつけると提案の質を公平に比較できます。

「その面積で保守はどうやるんですか」と聞いたときに、扉の開き方向や点検口の位置まで具体的に答えられるかどうか。

省スペース設計の実力は、こういう細部への回答に表れます。

よくある質問

Q1. 自動化には最低どれくらいのスペースが必要ですか?

A1. 工程によりますが、協働ロボットの単体工程なら1.5〜2m四方から成立した例があります。本体寸法ではなく運用面積で判断してください。

Q2. 協働ロボットは本当に柵なしで使えますか?

A2. リスクアセスメントを実施し、安全が確認された条件下では柵なし運用が可能です。ワークや周辺環境によっては追加の安全対策が必要になります。

Q3. 省スペース設計にすると費用は高くなりますか?

A3. 特注要素が増える分、標準構成より1〜2割程度上がる場合があります。ただし柵や増築が不要になる分、総額では安くなるケースもあります。

Q4. どれくらい面積を圧縮できるものですか?

A4. 柵の見直しと縦方向の活用を組み合わせて、従来構成比で3〜5割の圧縮が1つの目安です。現場条件により変わります。

Q5. 天井が低い工場でも導入できますか?

A5. 可能な場合が多いです。天井高2.5m程度でも成立した例があります。アームの動作を横方向中心に設計するなどの工夫で対応します。

Q6. 賃貸工場で床工事ができない場合はどうなりますか?

A6. アンカー固定が難しい場合は、自重で安定する架台設計や可動式構成で対応できることがあります。契約条件とあわせてご相談ください。

Q7. 現場を見てもらうだけでも頼めますか?

A7. 可能です。当社は問い合わせ後に現場確認・工程分析を行い、成立条件を整理してから概略仕様と見積りを提示する流れです。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • スペース不足の正体は設備本体ではなく、柵・通路・仮置き場の面積
  • 協働ロボット・縦方向活用・機能統合の組み合わせで、必要面積は3〜5割圧縮できる余地がある
  • 狭く収めるほど保守スペースの確保が重要。設計段階で保守性まで確認する

「置けない」と結論を出す前に、確認すべきことはまだ残っているはずです。

現場を見てからでないと分からないことは、正直多い。

工場の図面と現場写真、できれば空きスペースの実測値だけご用意いただければ、成立可否の整理はこちらでできます。

省スペース自動化を検討する1社として、石川工機にご相談ください

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