パレタイジング自動化の導入事例|重量物の積み降ろしから人を解放する
腰を痛める重労働をいつまで人に任せるのか…パレタイジングロボット導入で搬送工程を省人化した事例
パレタイジングは、工場の中で最も自動化しやすい工程のひとつです。
理由は明確で、作業が「決まった箱を、決まった位置に積む」という繰り返しだからです。
1箱15〜20kgを1日500回積めば、扱う総重量は約10トン。
この負荷を人の腰に背負わせ続ける合理性は、もうありません。
厚生労働省の統計でも、腰痛は休業4日以上の労働災害の中で大きな割合を占め、製造業はその主要な発生現場とされています。
それでも、出荷場ではまだ人が箱を積んでいます。
「若手に任せたら3カ月で辞めてしまった」
「ベテランがコルセットを巻いて働いているのを見ないふりしている」
そんな後ろめたさを抱えたまま、求人サイトの管理画面を今日も更新していないでしょうか。
この記事では、テックマンロボットによるパレタイジングシステムを3件構築してきた石川工機が、導入現場で実際に起きたことを、費用感や検討の流れも含めてお伝えします。
【この記事のポイント】
- パレタイジングは繰り返し性が高く、自動化の成功率が高い工程
- 協働ロボット型なら安全柵を最小限にでき、狭い出荷場にも入る
- 費用はシステム全体で本体価格の1.5〜3倍。腰痛リスクと採用費まで含めて回収を考える
この記事の結論
- 一言で言うと、パレタイジングは「人がやるべきでない仕事」の筆頭
- 判断の入り口は、箱の重量・1日の積載数・パレットパターンの3つの数字
- 協働ロボット本体は300〜500万円程度、システム全体でその1.5〜3倍が目安
- 最も重要なのは、腰痛による離職・労災リスクを投資判断に含めること
パレタイジング自動化の実際|2つの現場で起きたこと
事例1:紙器・包装資材メーカー|1日600箱の積み込みを協働ロボットへ
愛知県内の紙器・包装資材メーカーでの話です。
出荷場では、1箱約15kgの製品を1日600箱前後、2人がかりでパレットに積んでいました。
相談のきっかけは、増産でも設備老朽化でもなく、人でした。
『積み込み担当の求人を1年出して、応募が2件。どちらも見学の後に辞退されました』
現場を確認すると、出荷場の空きスペースは幅2m少々。
一般的な産業ロボットのパレタイザでは、安全柵を含めると収まらない広さです。
そこでテックマンロボットを使った協働型のパレタイジングシステムを構成しました。
リスクアセスメントを行ったうえで柵を最小限にし、人が横を通れるレイアウトを維持。
サイクルは1箱あたり十数秒で、人の速度には及びませんが、休憩なしで積み続けるため1日の処理量はむしろ安定しました。
導入から数カ月後に訪問したとき、印象的だったのは大きな成果の話ではありません。
「夕方の出荷場で、腰をさすっている人を見なくなった」
ご担当者がぽつりと言ったその一言が、この設備の価値をいちばん正確に表していると思います。
事例2:化成品メーカー|25kgの袋物で「まず1ラインだけ」から
もうひとつは、東海地方の化成品メーカーの事例です。
25kg入りの袋を人手でパレットに積んでおり、作業者は50代が中心。
ここでの相談は、最初から前向きだったわけではありません。
『正直、ロボットが袋物をちゃんとつかめるのか半信半疑です』
もっともな疑問です。
袋は箱と違って形が安定せず、つかみ方の設計、つまりハンドの設計が成否を分けます。
当社はまず現場で袋の状態を確認し、実物を使ったハンドの検証から入りました。
把持テストを重ねて成立条件を確認できた段階で、まず1ラインだけの導入をご提案。
全ライン一括なら見栄えの良い提案書になりますが、袋物は品種による差が出やすく、小さく始めて確かめるほうが結果的に安いからです。
稼働後、積み付けの荷崩れはむしろ減りました。
人の作業は疲労で積み方が乱れますが、ロボットは最終便でも同じ位置に置き続けるためです。
このメーカーは半年ほど運用を確認したのち、2ライン目の検討に進まれました。
事例に共通した検討の流れ|相談から稼働までの8ステップ
2つの現場とも、進め方は同じです。
当社の標準的な流れは、問い合わせ・課題ヒアリングから始まり、現場確認・工程分析、自動化案の検討、概略仕様と見積り提示、詳細設計・製作、調整・デバッグ、現地据付・立ち上げ、運用後のフォローまでの8ステップ。
特に重要なのが2番目の現場確認です。
パレタイジングは、箱の重量、1時間あたりの処理数、パレットの積み付けパターン、供給コンベアの高さで構成がほぼ決まります。
このうちひとつでも「だいたい」のまま設計に進むと、後で費用が膨らむ。
よくあるのが、繁忙期だけ箱数が倍になる事実が設計の後半で分かるケースです。
現場を見て、数字を全部並べてから構成を決める。
遠回りに見えて、これが最短ルートだと考えています。
自社の出荷場で成立するか知りたい方は、箱の寸法・重量と現場写真だけでも判断材料になります。
石川工機の相談フォームからお送りください。
導入を判断する前に|費用・適用条件・見落としがちなリスク
費用の目安と回収の考え方|人件費だけで計算しない
協働ロボット本体は300〜500万円程度が相場です。
ハンド・架台・コンベア連携・安全対策・ティーチングを含めたシステム全体では、本体の1.5〜3倍が目安になります。
仮に1,000万円のシステムを、1名分の作業置き換えで考えてみます。
年間の人件費・採用費で400万円相当を圧縮できるなら、単純計算で2〜3年での回収圏内。
ただ、正直なところ、パレタイジングの投資対効果は人件費だけでは測りきれません。
腰痛による休業や離職、それに伴う再採用と教育のコスト。
中小企業白書でも、人手不足が中小製造業の事業継続の課題として繰り返し指摘されています。
「人が採れない工程」の自動化は、費用対効果の前に事業リスク対策という側面があるのです。
向いている現場・向かない現場|3つの数字で見極める
すべての出荷場に向くわけではありません。
見極めの入り口は3つの数字です。
第一に箱・袋の重量。
協働ロボットの可搬重量には上限があり、ワークとハンドの合計で機種が絞られます。
第二に処理数。
1時間あたりの箱数が多すぎる高速ラインでは、協働型では追いつかず、産業ロボット型や専用機の検討になります。
第三に品種数。
パレットパターンが多品種にわたる場合、切り替えの設計次第で費用が変わります。
ケースによりますが、重量10〜30kg・中速・品種が数種類までの現場は、かなり相性が良いゾーンです。
逆に、不定形物が混ざる、積み付けの判断が毎回変わるといった現場は、無理に自動化せず人と分担する構成が現実的なこともあります。
導入現場が最後に確認していたポイント|失敗を避ける視点
検討を進めた企業が、発注前に必ず確認していたことがあります。
ひとつは、実物ワークでの把持テストをやってくれるか。
カタログ上の可搬重量と、実際につかめるかは別問題だからです。
ふたつ目は、繁忙期の最大処理数で設計されているか。
平均値で設計された設備は、いちばん助けてほしい繁忙期に追いつきません。
みっつ目は、導入後に誰が面倒を見てくれるか。
パレットずれや品種追加は必ず起きます。
そのとき電話一本で来てくれる距離のSIerかどうかは、稼働率に直結します。
当社は名古屋市天白区を拠点に、愛知県全域と東海3県を中心に対応しています。
比較検討の1社としてで構いませんので、候補に加えていただければと思います。
よくある質問
Q1. パレタイジング自動化の費用はいくらかかりますか?
A1. 協働ロボット本体で300〜500万円程度、システム全体で本体の1.5〜3倍が目安です。
コンベア連携や安全対策の範囲で変動します。
見積りは現場確認後の提示が確実です。
Q2. どれくらいの重さまで積めますか?
A2. 機種の可搬重量からハンド重量を引いた値が上限です。
10〜20kg級の箱は実績の多いゾーンです。
25kg超は機種と構成が限られるため、事前の把持検証をおすすめします。
Q3. 人が積むより遅くなりませんか?
A3. 1箱あたりの速度は人が上ですが、休憩・疲労がないため1日の総量は安定します。
疲労による積み崩れが減る効果もあり、日量ベースでは同等以上になる例が多いです。
Q4. 狭い出荷場でも設置できますか?
A4. 協働ロボット型なら安全柵を最小限にでき、幅2m程度の空きで成立した例もあります。
リスクアセスメントを前提に、人が通れるレイアウトの維持も可能です。
Q5. 袋物や不定形のワークでも対応できますか?
A5. 可能な場合がありますが、箱物よりハンド設計の難易度が上がります。
実物での把持テストで成立条件を確認してから判断するのが安全です。
テストなしの即決は避けてください。
Q6. 補助金は使えますか?
A6. 省力化・生産性向上を目的とした国や自治体の補助金の対象になり得ます。
公募時期と要件は年度で変わるため、検討初期に最新情報の確認が必要です。
スケジュールは申請期間から逆算します。
Q7. 導入までどれくらいの期間が必要ですか?
A7. 現場確認から見積りまで数週間、設計・製作・据付まで含めて数カ月が一般的です。
繁忙期に間に合わせたい場合は、半年以上前の相談が安心です。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- パレタイジングは繰り返し性が高く、自動化の成功率が高い代表的工程
- 判断材料は重量・処理数・品種数の3つ。実物での把持テストが成否を分ける
- 投資判断には人件費だけでなく、腰痛・離職・採用難のリスクまで含める
積み込み作業の求人を出し続けるのか、工程そのものをなくすのか。
分かれ道に立っているなら、まず自社の数字を並べるところから始めてください。
箱の重量と1日の箱数、出荷場の写真があれば、成立性の当たりはつけられます。
現場を見て一緒に判断してほしいという段階で、石川工機へお声がけください。
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以下では、生産自動化を考えるうえで代表的な視点を整理しています。
👉人手不足に悩む経営者が、自動化で何が解決できるか判断したい
👉初めて自動化を検討する企業が、何から始めるべきか判断したい
👉設備選定に悩む担当者が、ロボットの種類を比較して判断したい
👉業者選定で失敗したくない企業が、選定基準を知りたい
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