協働ロボットがピッキング作業を行うデモ装置の写真

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人手不足は一時的か恒常的か見極め方|構造問題なら打つ手は大きく変わる

課題解決判断

そのうち人は採れると思っていないか…自社の人手不足が構造的問題かを見極め、自動化すべきか判断する

自社の人手不足が一時的か恒常的かは、直近1年の応募数・退職者の年齢・地域の求人倍率の3つで見極められます。

このうち2つ以上が悪化傾向なら、それは景気の波ではなく構造的な問題です。

構造的な人手不足に採用強化だけで対抗するのは、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるのに近い。

打つ手そのものを変える必要があります。

月曜の朝、ハローワークからの紹介状が今週もゼロだと知る。

「時給を上げればそのうち来るはずだ」

「いや、この半年ずっと同じことを言っている気がする」

「もし来ないなら、いつまで今の体制でもつのか」

この記事では、人手不足の性質を見極める具体的な基準と、構造的だと分かった場合に自動化をどう位置づけるべきかを、設備づくり52年の現場から解説します。

【この記事のポイント】

  • 応募数・退職者の年齢・地域の求人倍率の3指標で、一時的か構造的かを判定できる
  • 構造的な人手不足なら、打ち手は「人を増やす」から「人が要らない工程を増やす」に変わる
  • 自動化は全工程ではなく、採用が最も難しい単純繰り返し作業から充てるのが定石

この記事の結論

  • 一言で言うと、1年たっても採用が改善しない人手不足は構造問題として扱うべき
  • 最も重要なのは、頑張りの方向を「採用の強化」から「必要人数の削減」へ切り替える判断
  • 構造的な人手不足の背景は生産年齢人口の減少であり、1社の努力では動かせない
  • 自動化・外注・採用を組み合わせ、人にしか出来ない仕事へ人を集中させるのが現実解

自社の人手不足が「一時的」か「構造的」かを見分ける方法

見極めの3指標。2つ以上当てはまれば構造問題

判定に使う指標は3つです。

第一に、応募数の推移。

求人条件を見直しても応募が1年以上低迷しているなら、条件の問題ではなく母数の問題です。

第二に、退職者の年齢。

定年や体力面を理由にした60歳前後の退職が続いているなら、それは今後10年続く年齢構成の問題であり、景気とは無関係です。

第三に、地域の有効求人倍率。

製造業の現場職はもともと倍率が高く、地域によっては1人の求職者を数社で取り合う状態が常態化しています。

このうち2つ以上に当てはまる場合、待っていて解決する可能性は低いと考えるべきです。

逆に、応募はあるが定着しない、繁忙期だけ足りない、といった場合は一時的・運用的な問題の色が濃く、打ち手も採用や定着策が中心になります。

まず自社がどちら側にいるのか、感覚ではなく数字で確かめてください。

「そのうち採れる」を裏切る、動かせない構造要因

構造的と言い切れる根拠は、人口動態にあります。

日本の生産年齢人口は減少が続いており、中小企業白書でも中小製造業の人手不足は最も深刻な経営課題のひとつとして繰り返し取り上げられています。

厚生労働省の統計を見ても、製造業の就業者は高齢化が進み、若年層の入職は細っています。

つまり、隣町の工場に勝てば済む話ではなく、そもそも取り合う人の総数が減り続けている。

これは1社の求人条件の工夫では動かせない前提条件です。

もちろん、賃金や職場環境の改善で採用が上向く余地はありますし、それを否定するつもりはありません。

ただ、ケースによりますが、条件改善で獲得できる人数には天井があります。

天井の存在を認めたうえで、「では何人まで減っても回る現場にするか」という逆側の問いを立てられるかどうか。

ここが、構造問題への向き合い方の分かれ目になります。

1年待っても応募が戻らなかった、自動車部品工場の話

愛知県内の自動車部品の組付け工場でのことです。

2人の欠員を「そのうち埋まる」と待ち続け、その間は班長が現場に入って穴を埋めていました。

求人媒体を替え、時給も2回上げましたが、1年で面接まで進んだのは3人。

うち2人は連絡が取れなくなり、1人は初日で辞めたそうです。

工場長は毎晩、翌日の人員配置表とにらめっこして、パズルのように人を動かしていました。

それでも埋まらない日は、自分が組付けラインに立つ。

管理の仕事は夜に回り、改善活動は完全に止まっていました。

ご相談を受けて工程を分析すると、組付け後の検査と箱詰めに人手が集中していることが分かりました。

ここを自動化して2人分の工数を浮かせ、人は組付けと段取りに集中する構成に変更。

「採用をやめたわけではないが、採用待ちの綱渡りからは降りられた」と話されていたのが印象的でした。

人手不足の性質を自社だけで判定しきれないときは、外の目を入れるのも一手です。

工程分析の段階からで構いませんので、石川工機への相談も選択肢に加えてみてください。

構造的な人手不足だと分かったら、打ち手はこう変わる

一時的なら「しのぐ」、構造的なら「仕組みを変える」

一時的な人手不足への対処は、残業・応援・派遣で山を越える「しのぎ」で構いません。

しかし構造的な場合、しのぎを何年も続けること自体がリスクになります。

残業が恒常化すれば、今いる人の退職リスクが上がる。

ベテランの負荷が増えれば、技能承継の時間が消える。

実は、人手不足の工場で最初に壊れるのは生産量ではなく、教育と改善の時間です。

構造問題への打ち手は、必要人数そのものを減らす方向に組み替えます。

具体的には、単純繰り返し作業の自動化、工程の統合、外注化の3つ。

そのうえで、浮いた人を段取り・品質管理・技能承継といった人にしかできない仕事へ回す。

「人を減らす」のではなく「人が要らない工程を増やす」と捉えると、社内の合意も取りやすくなります。

順番も大切です。

いきなり大がかりな設備を入れるのではなく、まず1工程を自動化して効果を数字で確かめ、次の工程へ広げる。

段階を踏めば投資リスクを抑えられますし、現場もロボットとの付き合い方に慣れていきます。

構造問題は一撃では解けません。

だからこそ、数年がかりの計画として組む価値があります。

採用・派遣・外注・自動化。どれをどこに充てるか

打ち手には使い分けがあります。

判断や調整が要る仕事は、採用と教育で人を確保する領域。

繁閑の波が大きい仕事は、派遣や外注でしのぐ領域。

そして、同じ動作を1日何時間も繰り返す搬送・箱詰め・検査などは、自動化が最も合理的な領域です。

理由は単純で、単純繰り返し作業ほど求人を出しても人が集まらず、定着もしにくいからです。

費用の目安として、協働ロボットは本体で300〜500万円程度、システム全体でその1.5〜3倍が一般的な相場です。

決して安くはありませんが、採用費と教育費を毎年かけ続けても人が残らない工程なら、比較の土俵に載る金額です。

日本ロボット工業会の統計でも、産業用ロボットの導入は人手不足を背景に中小規模の現場へ広がっているとされています。

どの工程にどの打ち手を充てるか、この振り分けこそが構造問題への回答になります。

重量物の積み替えをロボットに任せた鋳造関連工場のその後

鋳造関連の部品を扱う工場では、出荷前のパレット積みが長年の悩みでした。

1個十数kgの製品を1日数百個、人が積み替える。

腰への負担が大きく、この工程だけ担当者が定着しない状態が続いていました。

厚生労働省の統計でも、製造業の労働災害では腰痛などの負傷が大きな割合を占めています。

社長は当初、「ロボットなんてうちの規模には大げさだ」と半信半疑でした。

私たちはテックマンの協働ロボットを使ったパレタイジングシステムを提案し、既存の出荷スペースに収まるレイアウトで構成しました。

この種のパレタイジングシステムは、当社でも3件の導入実績があります。

稼働から数か月後に伺うと、大きな変化を語られるわけではありませんでした。

ただ、「積み込みの順番待ちで湿布の話をする人がいなくなった」と笑っておられた。

構造的な人手不足への答えは、こういう地味な変化の積み重ねなのだと思います。

よくある質問

Q1. 一時的か構造的か、最短でどう判定できますか?

A1. 直近1年の応募数、退職者の年齢、地域の求人倍率の3つを並べてください。

2つ以上が悪化傾向なら構造的と判断し、打ち手の見直しを始めるべきです。

Q2. 構造的でも、まず採用を強化すべきではありませんか?

A2. 採用は続けるべきです。

ただし採用「だけ」に頼る計画は、母数減少が続く以上リスクが年々高まります。

自動化との併用が現実的です。

Q3. 自動化するなら、どの工程からが良いですか?

A3. 単純な繰り返し作業で、採用が最も難しい工程からです。

搬送・箱詰め・検査は典型例で、1工程だけの部分導入なら投資も抑えられます。

Q4. 費用はどのくらい見ておくべきですか?

A4. 協働ロボット本体で300〜500万円程度、システム全体でその1.5〜3倍が目安です。

工程内容と周辺設備で変わるため、現場確認後の概算で比較してください。

Q5. 人が減ることに現場が反発しませんか?

A5. よくある不安ですが、目的は解雇ではなく再配置です。

きつい単純作業をなくし、人を段取りや品質管理へ回すと説明すると、むしろ歓迎されるケースが多いです。

Q6. 小規模でも派遣や外注のほうが手軽では?

A6. 繁閑対応なら有効です。

ただし恒常的な工程を派遣で埋め続けると、費用が累積し教育も蓄積しません。

恒常工程は自動化、変動部分は派遣という併用が定石です。

Q7. 検討はいつ始めるべきですか?

A7. 数字で構造的と判定できた時点です。

相談から立ち上げまで半年〜1年かかるため、欠員が出てからでは間に合いません。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • 応募数・退職者の年齢・求人倍率の3指標で、人手不足の性質をまず数字で判定する
  • 構造的なら、打ち手は採用強化から「必要人数を減らす仕組みづくり」へ切り替える
  • 単純繰り返し作業は自動化、変動は派遣・外注、人にしかできない仕事に人を集中させる

まずは直近1年の応募数と退職者の年齢を書き出し、自社の人手不足の正体を確かめるところから始めてください。

数字を並べた結果を、どう工程の打ち手に翻訳するかは現場ごとに違います。

採用が難しい工程の洗い出しからで構いません。

比較検討の1社として、石川工機に課題の整理からご相談ください。

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